帯状疱疹

皮膚科疾患ガイド

帯状疱疹

帯状疱疹は、発疹が出る前に痛みだけで始まることがあります。早期診断と合併症の見極めが大切です。

監修:栗原佑一(皮膚科専門医)

作成日:2026年05月28日

最終更新日:2026年07月27日

―― 要点 ――

帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスが体の中で再活性化し、体の片側に痛みや水ぶくれを起こす病気です。皮疹が出てから72時間以内は抗ウイルス薬の効果を考えるうえで重要ですが、重症例や免疫低下がある場合は72時間を過ぎても治療を検討します。

顔、目の周り、耳の症状、強い頭痛、発熱、麻痺、広範囲の発疹がある場合は、合併症に注意が必要です。

帯状疱疹とは?

水ぼうそうにかかった後、体内に残った水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活動することで起こります。胸、背中、腹部、顔などの片側に、神経の走行に沿って痛みと水ぶくれが出ます。

「虫刺され」「かぶれ」「筋肉痛」と思って様子を見ることがありますが、痛みが先行し、その後に水ぶくれが出る場合は帯状疱疹を考えます。

よくある症状

見た目の変化

赤み、小さな水ぶくれ、びらん、かさぶたが、体の片側に帯状に出ます。

感じ方の変化

ピリピリ、ズキズキ、焼けるような痛み、触れるだけで痛い感覚が出ることがあります。

出やすい部位

胸、背中、腹部、顔、頭皮、首、腕、脚に出ます。目の周り、耳の周りは特に注意が必要です。

悪化しやすい背景

加齢、疲労、免疫低下、がん治療、免疫抑制薬、糖尿病などが関係することがあります。

このような症状は皮膚科にご相談ください

  • 体の片側にピリピリする痛みがある
  • 痛みのあとに赤みや水ぶくれが出た
  • 触れるだけで痛い
  • 顔や目の周りに発疹がある
  • 耳の痛み、めまい、顔の動かしにくさがある
  • 免疫を抑える薬を使っている

当てはまる項目が複数ある場合は、早めに受診してください。

早めの受診をおすすめする症状

  • 目の周り、額、鼻の先に発疹がある
  • 耳の痛み、顔面神経麻痺、めまいがある
  • 頭痛、発熱、意識の変化がある
  • 発疹が全身に広がる
  • 免疫低下がある
  • 妊娠中、新生児や免疫低下者との接触が心配

目の周り・額・鼻の先の発疹や目の痛み、見えにくさがある場合は、当日中に皮膚科または眼科を受診してください。耳の痛み、顔の動かしにくさ、めまいがある場合も、当日中に皮膚科または耳鼻咽喉科へ相談が必要です。意識がもうろうとする、突然の麻痺、けいれん、呼びかけへの反応が悪い場合は119番を利用してください。発疹が全身に広がる、免疫が低下していて発熱を伴う場合は救急外来を受診してください。

似ている病気・見分けるポイント

帯状疱疹は、痛みが先に出ることがあり、初期には筋肉痛や神経痛、虫刺され、かぶれと区別しにくいことがあります。片側にまとまる痛みや水ぶくれがある場合は、早めに確認することが大切です。

単純ヘルペス

似ている点:小さな水ぶくれが似ることがあります

見分けるポイント:繰り返す部位、分布、必要に応じた検査で見分けます

受診の目安:顔、陰部、目の周囲に出る場合

接触皮膚炎

似ている点:赤みや水ぶくれが似ることがあります

見分けるポイント:触れた物、かぶれの範囲、痛みよりかゆみが強いかがポイントです

受診の目安:原因不明の水ぶくれが広がる場合

蜂窩織炎

似ている点:赤み、腫れ、痛みが似ることがあります

見分けるポイント:水ぶくれの並び方、発熱、熱感、腫れの範囲で判断します

受診の目安:発熱や強い痛みを伴う場合

虫刺され

似ている点:赤いぶつぶつやかゆみが似ることがあります

見分けるポイント:刺された部位、左右差、痛みや水ぶくれの有無が手がかりです

受診の目安:水ぶくれや痛みが増える場合

神経痛・筋肉痛

似ている点:発疹前の痛みと似ることがあります

見分けるポイント:皮膚の違和感があるか、片側性か、後から発疹が出るかで区別します

受診の目安:痛みの後に発疹が出た場合

原因と悪化要因

体質・年齢・免疫などの内的要因

加齢や免疫状態の変化で発症しやすくなります。免疫抑制薬、がん治療、移植後などでは重症化に注意します。

生活習慣・環境などの外的要因

疲労や体調不良がきっかけになることがありますが、生活習慣だけで説明できる病気ではありません。

診断で大切なポイント

発疹が出る前の、痛みだけの時期は診断が難しいことがあります。目、耳、顔面神経の症状を伴う場合は、皮膚科だけでなく眼科や耳鼻咽喉科と連携して診ることが必要です。

皮膚科で行う検査・診断

典型例は症状と分布で診断することが多いです。非典型例では単純ヘルペス、接触皮膚炎、虫刺され、蜂窩織炎などと区別します。必要に応じてウイルス検査を検討します。

皮膚科で行う主な治療

帯状疱疹では、ウイルスの増殖を抑える治療を早めに始め、急性期の痛みと目・耳・神経の合併症を見逃さないことが中心です。発症からの時間だけでなく、発疹が増えているか、部位、年齢、腎機能、免疫状態を確認して治療を決めます。

抗ウイルス薬

アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナメビルなどを、年齢、腎機能、併用薬、重症度に応じて検討します。

痛みの治療

急性期の痛みには鎮痛薬などを使います。皮疹が治った後も痛みが残る場合は、帯状疱疹後神経痛として治療を考えます。

合併症への対応

眼の症状は眼科、耳や顔面神経症状は耳鼻咽喉科など、症状に応じて連携します。重症例では入院治療を検討することがあります。

ワクチン

帯状疱疹ワクチンは発症や合併症を減らす目的で使われます。対象年齢、接種回数、費用、公費助成、接種できない条件は確認が必要です。

自宅でできるセルフケア

自宅では、皮疹を保護して二次感染を防ぎ、強い痛みや合併症の変化を見逃さないことが大切です。また、水ぶくれが乾くまでは、水ぼうそうとして感染する可能性がある相手への配慮が必要です。

  • 水ぶくれをつぶさない
  • 皮疹を清潔に保つ
  • 痛みが強い時は無理をしない
  • 処方薬は指示された期間を守る
  • 皮疹が乾くまでは、水ぼうそう未罹患・未接種の方、妊婦、免疫低下者との接触に注意する

やってはいけないこと・注意点

  • 痛みだけだからと長く様子を見る
  • 目や耳の症状を放置する
  • 水ぶくれをつぶす
  • 自己判断で抗ウイルス薬を中断する
  • 皮疹が治った後の痛みを我慢し続ける

よくある質問

Q1. 帯状疱疹はうつりますか?

帯状疱疹としてうつるわけではありません。ただし、水ぼうそう未罹患・未接種の方が水ぶくれのウイルスに触れると、水ぼうそうとして発症する可能性があります。

Q2. 72時間を過ぎたら薬は意味がありませんか?

早期開始が重要ですが、発疹が増えている、痛みが強い、顔面、免疫低下がある場合は72時間を過ぎても治療を検討します。

Q3. 痛みはいつまで続きますか?

多くは時間とともに軽くなりますが、帯状疱疹後神経痛として痛みが続くことがあります。

Q4. ワクチンは受けた方がよいですか?

年齢、基礎疾患、免疫状態、費用、公費助成によって考えます。接種可否は医療機関で確認してください。

Q5. 顔に出た場合は危険ですか?

目や耳、顔面神経に関わることがあるため注意が必要です。顔、額、鼻、目の周りに発疹がある場合や、耳の痛み・顔の動かしにくさ・めまいがある場合は当日中に受診してください。

皮膚科受診を考えている方へ

帯状疱疹は、発疹より先に痛みが出ることがあり、筋肉痛やかぶれと区別しにくい時期があります。診察では、抗ウイルス薬を始める必要性、痛みの治療、眼科・耳鼻咽喉科や入院治療との連携が必要かを判断します。

片側の痛みや水ぶくれが出た場合は早めに受診してください。目の周り、耳、顔の動かしにくさ、強い頭痛や発熱がある場合は、受診を先延ばしにしないでください。

当院での診療について

湘南皮膚科では、発疹の出方、痛みの強さ、発症からの時間、全身状態を診て、抗ウイルス薬と痛みへの対応を中心に治療を提案します。帯状疱疹ワクチンは完全予約制で取り扱う予定です。ワクチンの種類、費用、公費助成の利用条件は、確定後にご案内します。点滴や入院治療が必要な場合は、連携医療機関と協力いたします。

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診療時間・アクセス

まとめ

  • 帯状疱疹は片側の痛みと水ぶくれが特徴です
  • 早期の抗ウイルス薬が重要です
  • 目や耳、顔面神経の症状は当日中の受診が必要で、意識障害や突然の麻痺は119番の対象です
  • 皮疹後の痛みにも治療があります
  • ワクチンは対象や費用の確認が必要です

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※この記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療の代わりになるものではありません。

監修者情報


監修:栗原佑一

所属:湘南皮膚科

資格:日本専門医機構認定 皮膚科専門医

作成日:2026年05月28日  最終更新日:2026年07月27日