皮膚科疾患ガイド
とびひ
とびひは、掻きこわしや虫刺され、湿疹から細菌感染が広がることがある小児に多い皮膚感染症です。
監修:栗原佑一(皮膚科専門医)
作成日:2026年05月28日
最終更新日:2026年07月27日
―― 要点 ――
とびひは、黄色ブドウ球菌や溶連菌などが皮膚に感染して、水ぶくれ、じゅくじゅく、かさぶたが広がる病気です。正式には伝染性膿痂疹と呼ばれます。
軽い場合は外用薬を中心に治療しますが、広がる、発熱がある、痛みが強い、顔や全身に広がる場合は早めの受診が必要です。登園・登校は、症状、処置の状態、園や学校の方針も合わせて確認します。
このページの目次
とびひとは?
皮膚の小さな傷、虫刺され、湿疹、あせも、アトピー性皮膚炎の掻きこわしなどから細菌が入り、周囲に広がる感染症です。触った手で別の部位を掻くことで広がることがあります。
よくある症状
見た目の変化
水ぶくれ、破れてじゅくじゅくしたびらん、黄色いかさぶたができます。
感じ方の変化
かゆみ、痛み、しみる感じがあります。掻くことで広がりやすくなります。
出やすい部位
顔、鼻の周り、手足、虫刺されや湿疹があった場所に多くみられます。
悪化しやすいタイミング
夏、汗、虫刺され、湿疹、掻きこわし、爪が長い状態で広がりやすくなります。
このような症状は皮膚科にご相談ください
- 水ぶくれが破れてじゅくじゅくしている
- 黄色いかさぶたがある
- 掻くと別の場所に広がる
- 虫刺されや湿疹のあとに悪化した
- 子どもが触ったり掻いたりして広がっている
早めの受診をおすすめする症状
- 発疹が急に広がる
- 発熱がある
- 痛みや腫れが強い
- 顔、目の周りに広がる
- 乳幼児で広範囲に出ている
- アトピー性皮膚炎などで皮膚炎が強い
似ている病気・見分けるポイント
とびひは湿疹や虫刺されをかき壊したあとに広がることが多く、初期にはほかの皮膚炎や感染症と区別しにくいことがあります。じゅくじゅく、黄色いかさぶた、急な広がりがある場合は早めに確認しましょう。
湿疹・アトピー性皮膚炎
似ている点:かゆみや赤みが似ることがあります
見分けるポイント:黄色いかさぶた、じゅくじゅく、急な広がりの有無がポイントです
受診の目安:かき壊しから広がる場合
虫刺され
似ている点:赤いぶつぶつやかゆみが似ることがあります
見分けるポイント:中心の刺し口の有無、数、かき壊し後の感染で見分けます
受診の目安:膿やかさぶたが増える場合
単純ヘルペス
似ている点:水ぶくれやただれが似ることがあります
見分けるポイント:小さな水疱が集まる、痛みが強い、繰り返す部位が手がかりです
受診の目安:痛みが強い、口や目の周囲の場合
水痘
似ている点:水ぶくれが多発する点が似ることがあります
見分けるポイント:発熱の有無、全身に新旧の発疹が混じるかで判断します
受診の目安:発熱や全身の水ぶくれがある場合
蜂窩織炎
似ている点:赤み、腫れ、痛みが似ることがあります
見分けるポイント:皮膚の深い腫れ、熱感、発熱を伴うかで区別します
受診の目安:強い痛み、発熱、急速な拡大がある場合
原因と悪化要因
内的要因
皮膚のバリア低下、アトピー性皮膚炎、乳幼児の皮膚の薄さが関係することがあります。
外的要因
虫刺され、湿疹、汗、掻きこわし、爪、タオルの共有、接触が関わります。
見落とされやすいポイント
とびひに見えても、単純ヘルペス、接触皮膚炎、水疱症など別の病気のことがあります。痛みが強い、同じ場所に水ぶくれがまとまる場合は確認が必要です。
皮膚科で行う検査・診断
多くは診察で判断します。治りにくい、膿が多い、抗菌薬が効きにくい場合は細菌培養を検討します。
皮膚科で行う主な治療
とびひでは、細菌感染を治し、ほかの部位や周囲への広がりを防ぐことが治療の柱です。範囲、発熱や腫れの有無、年齢、湿疹や虫刺されなどの入口を診て、外用薬だけでよいか内服薬も必要かを判断します。
外用薬
抗菌薬外用薬を使うことがあります。びらん部は清潔にし、必要に応じてガーゼで覆います。
内服薬
広範囲、発熱、腫れがある場合、外用だけで不十分な場合は抗菌薬内服を検討します。
登園・登校
出席停止の扱いは地域、園、学校の方針で異なることがあります。患部を覆えるか、治療を開始しているか、全身状態がよいかを確認します。
自宅でできるセルフケア
家庭では、患部を清潔に保ち、掻きこわしとタオルなどを介した広がりを減らすことが大切です。登園・登校や入浴の扱いは、患部の状態と園・学校の方針も踏まえて確認します。
- 爪を短くする
- 患部を触った手を洗う
- タオルを共有しない
- シャワーでやさしく洗う
- 患部を清潔に保つ
- ガーゼで覆える部分は覆う
やってはいけないこと・注意点
- 水ぶくれをつぶして広げる
- 掻きこわしを放置する
- 自己判断でステロイドだけを塗り続ける
- タオルを共有する
- 発熱や強い腫れを放置する
よくある質問
Q1. とびひはうつりますか?
接触で広がることがあります。患部を触った手を洗い、タオルの共有を避けましょう。
Q2. 登園・登校できますか?
全身状態がよく、治療を開始し、患部を覆える場合に可能なことがあります。園や学校の方針も確認してください。
Q3. お風呂に入ってよいですか?
強くこすらず、シャワーでやさしく洗うことは清潔を保つために大切です。湯船の共有は症状に応じて相談します。
Q4. ステロイドを塗ってよいですか?
感染がある部位では抗菌薬などが必要になることがあります。自己判断でステロイドだけを続けないでください。
Q5. 何日くらいでよくなりますか?
症状の範囲や治療への反応で変わります。広がる、発熱がある、改善しない場合は再診が必要です。
皮膚科受診を考えている方へ
じゅくじゅくした発疹は、とびひ以外の湿疹やウイルス感染でもみられます。診察では、感染の範囲と全身状態を確認し、薬の必要性や家庭・園・学校での対応をご案内します。
急に広がる、発熱や強い腫れがある、顔の周りに増えている場合は早めにご相談ください。
当院での診療について
湘南皮膚科では、皮膚の状態と全身状態を診て、症状に応じた治療を提案します。登園・登校については、園や学校の方針、お子さんの状態、ご家庭の事情も踏まえてご案内します。
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まとめ
- とびひは細菌による皮膚感染症です
- 掻きこわしで広がることがあります
- 外用薬や内服薬を症状に応じて使います
- 登園・登校は症状と園・学校方針も確認します
- 発熱や強い腫れがある場合は早めに受診してください
※この記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療の代わりになるものではありません。
監修者情報
監修:栗原佑一
所属:湘南皮膚科
資格:日本専門医機構認定 皮膚科専門医
作成日:2026年05月28日 最終更新日:2026年07月27日
