結節性痒疹の全身療法(注射薬)・紫外線療法

専門治療ガイド

結節性痒疹の全身療法(注射薬)・紫外線療法

この記事の薬剤情報は2026年7月26日時点のものです。対象や条件は変わることがあるため、最新の情報は診察時にご確認ください。

監修:栗原佑一(皮膚科専門医)

作成日:2026年06月11日

最終更新日:2026年07月26日

―― 要点 ――

結節性痒疹は、強いかゆみを伴う硬いしこりが多発する病気で、外用薬と抗ヒスタミン薬だけでは十分に抑えられないことが少なくありませんでした。

現在は、デュピルマブ(2023年に成人の結節性痒疹へ適応追加)とネモリズマブ(2024年に成人および13歳以上へ適応追加)という2つの注射薬が保険診療で使えるようになり、かゆみの悪循環を断ち切る治療が可能になっています。いずれも「これまでの治療で十分な効果が得られない場合」が対象です。

エキシマライトやナローバンドUVBによる紫外線療法も、かゆみとしこりの両方に効果が期待できる選択肢で、注射薬の前段階として、また組み合わせとして使われます。

全身療法・紫外線療法を検討するとき

  • 十分な強さのステロイド外用薬を使ってもしこりとかゆみが続く
  • かゆみで眠れない日が続いている
  • 抗ヒスタミン薬を飲んでもかゆみが抑えられない
  • 掻き壊しが治らず、しこりが増えている
  • かゆみのために仕事や生活に大きな支障が出ている

治療選択肢の全体像(2026年7月26日時点)

注射薬(生物学的製剤)

デュピルマブ(デュピクセント®)

標的:IL-4/IL-13

対象:成人

特徴:アトピー性皮膚炎などで使用経験が豊富。2週間隔の皮下注射。自己注射が可能

ネモリズマブ(ミチーガ®)

標的:IL-31受容体

対象:成人および13歳以上の小児

特徴:かゆみの信号(IL-31)を直接抑えることが特徴。4週間隔の皮下注射

いずれも、外用薬などのこれまでの治療で十分な効果が得られない結節性痒疹が対象です。効果やかゆみの軽減には個人差があり、数週間から数か月かけて評価します。

注意点としては、注射部位反応のほか、デュピルマブでは結膜炎など、薬剤ごとの副作用があります。治療前の評価と定期的な経過チェックを行いながら使います。

紫外線療法

エキシマライト(部分照射)やナローバンドUVB(広範囲照射)を、週1〜数回の通院で続けます。かゆみを抑え、しこりを平らにしていく効果が期待でき、保険診療で受けられます。詳しくは紫外線療法のページをご覧ください。

しこりの数が少ない場合はエキシマライトで集中的に、広範囲に多発している場合は全身型ナローバンドUVBで、と使い分けます。

外用治療・その他の治療

全身療法を行う場合も、ステロイド外用薬(必要に応じてODT療法やテープ剤)と保湿は治療の土台として続けます。背景に糖尿病や腎臓病などがある場合は、内科と連携して対応します。

治療の組み立て方

  1. まず、外用治療の強さと使い方を見直し、疥癬や水疱性類天疱瘡など他の病気を除外します
  2. 背景疾患(糖尿病、腎臓・肝臓・甲状腺の病気など)を血液検査で調べます
  3. 外用治療で不十分な場合、紫外線療法や注射薬を、症状の範囲、通院のしやすさ、費用を踏まえて検討します
  4. かゆみと睡眠の改善を見ながら、治療を調整していきます

治療前・治療中に必要な検査

  • 治療前:血液検査、背景疾患の確認、感染症の確認(薬剤によります)
  • 治療中:症状とかゆみの評価、副作用のチェック
  • 妊娠・授乳中、妊娠を希望される方は、使える治療が限られるため必ずお伝えください

費用について

注射薬は保険診療ですが薬剤費が高額で、自己負担も大きくなります。高額療養費制度を利用すると、所得に応じて月々の自己負担に上限が設けられます。紫外線療法は1回ごとの負担は比較的小さい治療です。診察時にご相談ください。

よくある質問

Q1. 注射はすぐに受けられますか?

対象は「これまでの治療で十分な効果が得られない結節性痒疹」の方です。まず外用治療の見直しと、ほかの病気の除外、背景疾患を調べたうえで判断します。

Q2. デュピルマブとネモリズマブはどちらがよいですか?

一概には言えません。年齢(ネモリズマブは13歳以上から使用可能)、合併するアトピー性皮膚炎の有無、投与間隔、費用などを踏まえて、一人ひとりに合う選択肢を一緒に考えます。

Q3. 注射でかゆみはどのくらい良くなりますか?

かゆみの軽減を実感するまでの期間や程度には個人差があります。しこりが平らになるまでには、さらに時間がかかることが一般的です。

Q4. 紫外線療法だけでも治りますか?

しこりの数や範囲によっては、外用薬と紫外線療法の組み合わせで十分に改善する方もいます。効果を見ながら、注射薬への切り替えや追加を検討します。

Q5. 治療をやめるとどうなりますか?

中止後に再燃することがあります。かゆみとしこりが落ち着いた状態を見ながら、減らし方ややめ方を相談して決めます。

当院での診療について

湘南皮膚科では、結節性痒疹の診断と背景疾患を調べ、必要に応じて採血を行います。外用治療、エキシマライト・全身ナローバンドUVBによる紫外線療法、注射薬を、適応と安全性を見極めながら組み合わせていきます。自己注射の方法や費用の見通しは診察時にお伝えします。

かゆみで眠れない日が続く場合は、これまでの治療内容が分かるものを持ってご相談ください。

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診療時間・アクセス

まとめ

  • 結節性痒疹には、デュピルマブ(成人)とネモリズマブ(成人・13歳以上)という注射薬の選択肢があります
  • いずれも「これまでの治療で効果不十分な場合」が対象です
  • 紫外線療法はかゆみとしこりの両方に効果が期待できる選択肢です
  • 治療前に、他の病気の除外と背景疾患の確認を行います
  • 高額療養費制度などで費用負担を抑えられる場合があります

※この記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療の代わりになるものではありません。

監修者情報


監修:栗原佑一

所属:湘南皮膚科

資格:日本専門医機構認定 皮膚科専門医

作成日:2026年06月11日  最終更新日:2026年07月26日