専門治療ガイド
専門治療・全身療法
塗り薬などの基本治療を続けても症状を十分に抑えられない皮膚疾患では、注射薬、飲み薬、紫外線療法などを検討することがあります。このページでは、疾患別と治療法別の2つの入口から詳しい解説ページを探せます。
監修:栗原佑一(皮膚科専門医)
最終更新日:2026年07月27日
専門治療・全身療法とは
全身療法は、飲み薬や注射薬など、体の中から炎症や免疫反応に働きかける治療です。外用薬だけでは症状を抑えにくい場合や、皮膚症状が広い範囲にある場合、睡眠、学業、仕事などへの影響が大きい場合に検討されます。
「塗り薬が効かなかった」という場合でも、塗る量や範囲、期間が十分だったかを見直すことで、治療方針が変わることがあります。全身療法が必要かどうかは、病気ごとの基準と診察結果をもとに判断します。
疾患から治療情報を探す
治療法から探す
注射薬(生物学的製剤・抗体医薬)
炎症やかゆみに関わる特定の物質や受容体を標的とする治療です。対象となる病気、年齢、投与間隔、主な副作用は薬剤ごとに異なります。
飲み薬(JAK阻害薬・分子標的薬など)
炎症の信号や免疫反応に関わる経路を抑える薬です。治療前後の採血や感染症の確認が必要になることがあり、薬剤ごとの適応や注意点を確かめたうえで使います。
特定の波長の紫外線を皮膚に照射する治療です。全身型ナローバンドUVBと、限られた範囲に照射するエキシマライトの違い、対象となる病気、通院、主な注意点を解説しています。
局所免疫療法
円形脱毛症で検討される治療の一つです。人工的にかぶれを起こす薬剤を使うため、対象、通院間隔、皮膚反応を確認しながら行います。詳しくは円形脱毛症の全身療法(JAK阻害薬など)をご覧ください。
多汗症の治療
手のひら・足の裏・わきの多汗症では、外用薬、イオントフォレーシス、ボツリヌス毒素注射などを検討します。部位や重症度によって治療と保険適用が異なります。詳しくは多汗症のページをご覧ください。
どのページを読めばよいか迷うとき
病名がまだ分からない
症状から探すで、受診の緊急性と考えられる病気を確認してください。
診断名は分かるが、現在の治療でよいか相談したい
疾患別の全身療法ページで、検討する場面と診察で確認することをご覧ください。
紫外線療法について知りたい
紫外線療法(光線療法)で、対象となる病気、照射方法、通院、主な注意点を確認できます。
一般的な治療から確認したい
疾患から探すで、外用薬や処置を含む病気ごとの治療全体をご覧ください。
このインデックスは、薬剤や治療法の自己選択を目的としたものではありません。受診時には、治療の効果だけでなく、副作用、必要な検査、通院方法、費用も含めて相談します。
専門治療を検討するとき
次のような場合は、現在の治療を続けるだけでよいか、治療を見直す余地があるかを皮膚科で相談できます。
確認 1
外用薬などの基本治療を適切に続けても症状が十分に落ち着かない
確認 2
皮膚症状や脱毛が広い範囲に及んでいる
確認 3
かゆみや痛みで眠れず、学校や仕事に影響している
確認 4
悪化を繰り返し、治療を中断すると短期間で再燃する
確認 5
現在の治療の副作用、通院、費用の負担について見直したい
この項目だけで治療の適応は判断できません。まず病名と重症度を確認し、今の治療内容や使い方を見直すところから始めます。
治療を選ぶときに確認すること
病名と重症度
診察でお聞きすること:症状の範囲、強さ、続いている期間、生活への影響
これまでの治療
診察でお聞きすること:使用した薬、塗り方、治療期間、効果と副作用
年齢・生活背景
診察でお聞きすること:年齢、体重、通院のしやすさ、自己注射への希望や不安
全身状態
診察でお聞きすること:持病、感染症、手術予定、妊娠・授乳、予防接種の状況
併用薬
診察でお聞きすること:現在の飲み薬、注射薬、サプリメントを含む使用状況
検査と経過観察
診察でお聞きすること:治療前後の採血や感染症確認、診察の間隔
費用
診察でお聞きすること:保険適用、自己負担、高額療養費制度などの利用可否
治療ごとに確認する項目は異なります。ページの情報だけで薬を選ばず、診察でご相談ください。
受診前に準備できるもの
- お薬手帳、使用中の塗り薬や飲み薬
- これまでの検査結果、紹介状
- 症状が強かった時期の写真
- これまでの治療期間と、効いた治療・困った副作用のメモ
- 通院頻度、自己注射、費用について確認したいこと
資料がすべて揃っていなくても受診できます。分かる範囲で治療経過を整理しておくと、選択肢を検討しやすくなります。
よくある質問
Q1. 希望すれば全身療法を始められますか?
病気ごと、薬剤ごとに対象となる条件があります。まず診断と重症度、これまでの治療を確認し、基本治療の見直しも含めて適応を判断します。
Q2. 今の外用薬はやめてもよいですか?
全身療法を始めても、外用薬や保湿を組み合わせることがあります。自己判断で中止せず、どの薬をどの部位に続けるかを診察時に確認してください。
Q3. 他院で治療中でも相談できますか?
相談できます。治療の重複や中断を避けるため、お薬手帳、検査結果、紹介状など、これまでの経過が分かる資料をお持ちください。
Q4. 妊娠中・授乳中でも治療できますか?
使える治療は薬剤や状況によって異なります。妊娠中、授乳中、妊娠を希望している方は、治療を始める前に必ずお伝えください。
Q5. 費用はどのくらいかかりますか?
薬剤、投与量、通院回数、年齢、所得区分などで異なります。保険診療でも自己負担が大きくなる治療があり、高額療養費制度などを利用できる場合があります。治療開始前に費用の見通しを確認します。
当院での診療について
開院後は、疾患や重症度、年齢、これまでの治療、全身の状態を診たうえで、適応がある方に専門治療をご提案します。生物学的製剤やJAK阻害薬などの専門治療は院内導入を予定しています。
対象疾患、採用薬剤、自己注射指導、検査、継続処方、紹介基準、予約方法などの詳しい運用は、確定後にご案内します。入院や専門的な評価が必要な場合は、連携医療機関へ紹介します。
参考情報
- 日本皮膚科学会「一般公開ガイドライン」(閲覧日:2026年7月27日)
- PMDA「医療用医薬品 添付文書等情報検索」(閲覧日:2026年7月27日)
※薬剤の適応、対象年齢、使用条件、安全性情報は改訂されることがあります。各治療ページでは情報の確認日を明記し、診察時には最新の電子添文や学会資料を確認します。
※このページは一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療の代わりになるものではありません。
監修者情報
文責:皮膚科専門医 栗原佑一
所属:湘南皮膚科
資格:日本専門医機構認定 皮膚科専門医
最終更新日:2026年07月27日
