紫外線療法(光線療法)

専門治療ガイド

紫外線療法(光線療法)

紫外線療法は、炎症や免疫の働きを抑える特定の波長の紫外線を、皮膚の反応を見ながら照射量を管理して行う治療です。

監修:栗原佑一(皮膚科専門医)

作成日:2026年06月11日

最終更新日:2026年07月27日

―― 要点 ――

紫外線療法は、炎症や免疫の働きを抑える特定の波長の紫外線を、皮膚の反応を見ながら照射量を管理して行う治療です。乾癬、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、円形脱毛症、尋常性白斑などに保険診療で行われています。

全身に照射するナローバンドUVBと、症状のある部位だけに照射するエキシマライトがあり、症状の範囲によって使い分けます。週1〜数回の通院を続けながら、少しずつ照射量を合わせていく治療です。

日焼けのような赤みやほてりが出ることがあるため、照射量の管理が重要です。

紫外線療法とは?

紫外線には、皮膚の過剰な免疫反応を抑える働きがあります。紫外線療法では、治療に用いる特定の波長(ナローバンドUVBは約311nm、エキシマライトは308nm)を照射し、皮膚の反応に応じて量を調整します。

日焼けサロンや日光浴とは異なり、波長と照射量を医学的に管理して行う治療です。

対象になる主な病気

乾癬

紫外線療法の位置づけ:外用薬で不十分な場合の代表的な選択肢。全身療法との組み合わせも

アトピー性皮膚炎

紫外線療法の位置づけ:かゆみと炎症が外用薬で抑えられない場合の補助的な選択肢

掌蹠膿疱症

紫外線療法の位置づけ:手のひら・足の裏への部分照射がよく行われる

円形脱毛症

紫外線療法の位置づけ:補助的な治療として部分照射が使われることがある

尋常性白斑

紫外線療法の位置づけ:色素の回復を目指して継続的に照射する

痒疹・結節性痒疹

紫外線療法の位置づけ:難治のかゆみとしこりに使われる。注射薬と組み合わせることも

このほか、菌状息肉症(皮膚リンパ腫)などにも使われます。適応になるかは、病気の種類、範囲、これまでの治療を踏まえて判断します。

ナローバンドUVBとエキシマライトの違い

照射範囲

ナローバンドUVB(全身型):全身または広い範囲

エキシマライト:症状のある部位だけ

向いている状態

ナローバンドUVB(全身型):皮疹が広範囲に多発している

エキシマライト:皮疹が限られた範囲にある、手足・頭皮など

治療時間

ナローバンドUVB(全身型):数分程度

エキシマライト:部位ごとに短時間

特徴

ナローバンドUVB(全身型):立って入る機器で全身を一度に照射

エキシマライト:病変部に限局して照射しやすく、部位に応じた量を設定できる

症状の範囲や部位によって使い分け、組み合わせることもあります。

治療の進み方

  1. 診察で適応を確認し、照射量の計画を立てます
  2. 週1〜数回の通院で照射を続けます(1回の照射は数分程度です)
  3. 皮膚の反応を見ながら、照射量を少しずつ合わせていきます
  4. 効果が出るまでには、通常数週間から数か月の継続が必要になります

通院の頻度や期間は、病気の種類と症状によって異なります。仕事や学校の予定に合わせた通院計画を一緒に考えます。

治療前に確認すること

  • 日光で強い発疹が出たことや、光線過敏症と診断されたことがないか
  • 皮膚がんや前がん病変の治療歴、放射線治療歴がないか
  • 光線過敏を起こすことがある内服薬・外用薬・サプリメントを使っていないか
  • 強い日焼け、発熱、皮膚感染症など、照射を延期すべき状態がないか
  • 妊娠・授乳、目の病気など、治療時に配慮が必要な状況がないか

照射時は指示に従って目を保護し、顔や陰部など治療対象でない部位も必要に応じて覆います。これまでの照射回数や累積照射量も記録しながら治療を進めます。

副作用と注意点

  • 日焼けのような赤み、ほてり、ヒリヒリ感が出ることがあります
  • 照射量が多すぎると、やけどのような反応(水ぶくれ)が出ることがあります
  • 乾燥やかゆみ、色素沈着が出ることがあります
  • 長期間・多数回の照射では、皮膚の老化や皮膚がんのリスクに配慮し、照射量を記録・管理します
  • 光線過敏のある方、光線過敏を起こしやすい薬を使っている方は、事前にお伝えください

照射後は強い日焼けを避け、保湿などのスキンケアを続けてください。

よくある質問

Q1. 痛い治療ですか?

照射中に強い痛みを感じることはあまりありませんが、温かさや軽い刺激を感じることがあります。照射後に日焼けのような赤み、ほてり、ヒリヒリ感が出ることがあります。

Q2. 何回くらい通えばよいですか?

病気や症状によりますが、週1〜数回の通院を数週間から数か月続けて効果をみていきます。維持のために間隔をあけて続ける場合もあります。

Q3. 保険はききますか?

乾癬、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、白斑、円形脱毛症など、対象となる病気では保険診療で行えます。

Q4. 子どもでも受けられますか?

病気や年齢、皮膚の状態によって判断します。お子さんの場合は、機器の中で立っていられるかなども含めてご相談ください。

Q5. 日焼けサロンと同じですか?

異なります。医療用の機器で、治療に有効な波長だけを、照射量を管理しながら当てる治療です。

当院での診療について

湘南皮膚科では、全身型ナローバンドUVB照射機とエキシマライトの導入を予定しています。病気の種類と症状の範囲に応じて、照射方法を検討します。

治療前に光線過敏症、服用中の薬、皮膚がんの治療歴などを確かめたうえで、外用薬や全身療法との組み合わせも含めて通院計画を考えます。

仕事や学校と両立できる通院頻度かどうかも含めてご相談ください。

Web予約をする

診療時間・アクセス

まとめ

  • 紫外線療法は炎症と免疫の働きを抑える保険診療の治療です
  • 全身に照射するナローバンドUVBと、部分照射のエキシマライトがあります
  • 乾癬、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、円形脱毛症、白斑などが対象です
  • 週1〜数回を目安に、皮膚の反応を見ながら継続します
  • 照射量の管理と日焼け対策が大切です

※この記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療の代わりになるものではありません。

監修者情報


監修:栗原佑一

所属:湘南皮膚科

資格:日本専門医機構認定 皮膚科専門医

作成日:2026年06月11日  最終更新日:2026年07月27日